日常的な外傷治療を行います
当院では日常的に起こりやすい外傷の治療を行っております。手足に刃物が刺さって大量の出血が見られたときや、指を切断した時はすぐに受診する方が多いと思いますが、ちょっとした打撲や出血などの場合、ご自身で処置し、その後は放置される方も少なくないようです。しかし、一見すると大したことが無いように見える場合でも、思わぬ後遺症が残ることがあります。そのような事態を招かないよう、まずは整形外科を受診なさることをお勧めいたします。
当院で扱う主な外傷
など
切創(切り傷)
ガラスや刃物など鋭い器物によって皮膚がスパッと切れてしまった怪我です。傷口が鋭く切断されているので、周辺組織につぶれの無いのが特徴です。傷が浅いときは絆創膏などをやや強めに巻くだけで対応できますが、なかには自分が思っているよりも深く切り、神経や骨まで損傷を受けている場合があります。血管や神経、腱への影響が大きいケースでは、緊急に縫い合わせの必要が生じることがあります。
なお、切創そのものは浅そうに見えても、傷口から土やサビが入り込んでしまった場合は破傷風などの感染症の恐れが生じてきます。異物を取り除いた後、必要があれば抗生剤を投与して感染症を予防します。出血が多い場合には縫合処置も行います。糸で縫わずに、創傷閉鎖用の滅菌テープや医療用のホチキスを使って、患部を固定するケースもあります。
骨折
骨折すると、その周囲の神経や血管も損傷してしまうため、通常は痛みを伴い、患部が腫れてきます。骨折がひどい場合は、動かせなくなったり、外見が変形したりします。しかし、痛みがそれほどでもなく、見た目は変形していなくても、骨折していることが少なくありません。捻挫や突き指だと思っていたら、実は骨折だったと言うことも、しばしば起こります。単なる打撲でも似たような症状が出たりします。
そのため、当院ではきちんとX線撮影を行い、診断をはっきりさせます。比較的に軽度の骨折であっても、放置すると骨がうまくくっつかず、変形したり、治癒までに時間がかかったりしますので、骨折が疑われるときは、必ず整形外科を受診するようにしてください。
捻挫
関節に不自然かつ強い外力が加わると、関節を支えている靭帯の一部が伸びたり切れたりして損傷することがあります。これが捻挫です。骨折してはいませんが、複数の靭帯が完全に断裂するような重いケースもあります。このような重傷例は靭帯が断裂する際に必ず関節のずれが生じるので、靭帯損傷とも呼ばれます。捻挫は体中いたるところの関節で起こりえますが、最も多いのは足首の捻挫です。
捻挫の治療に関しては、原則として手術は行わず、保存的に対応します。テーピングやサポーターで患部を固定することにより、関節にかかる負担が軽減されるので、徐々に快方に向かいます。但し、固定を外した後も、すぐに激しい運動をするようなことは避け、適切なリハビリテーションを行ってください。捻挫しやすいスポーツをされている方は、スポーツ用のテーピングやサポーターなどで予防するようにしましょう。
打撲
階段などで転倒したり、硬い物に手足がぶつかったりすると、外部から力によって皮下組織や筋肉などの軟部組織を打撲することがあります。強い衝撃の時は骨折したりしますが、打撲の状態であっても痛みを伴うことが多いので、患部を適度に冷やすことが大切です。
打撲すると、損傷した筋肉を修復するための様々な体内物質が患部に集まってきて炎症を起こし、赤みを帯びたり、熱をもったりします。組織の腫れが進むと神経を圧迫し、痛みやしびれ、麻痺などが現れることもあります。通常は徐々に痛みが引いていきますが、ひどいときは後遺症が残ったりしますので、必要に応じて整形外科を受診するようにして下さい。